サウナでの心拍数の目安は?時計での計り方や“ととのう”こととの関連性を解説

サウナに入っているときに「心拍数」を意識したことはありますか?

ネットの記事で紹介されていた通りにサウナを利用しても、“ととのわない”方も多いはず……。

サウナハットをかぶった男性
私もサウナに通い始めたころは、サウナ→水風呂→外気浴を何度繰り返しても「なかなかととのわない!」ということがしょっちゅうありました。

そこで頼りになるのが「心拍数」。心拍数はサウナを利用するうえで大事なパラメーターなんです。

今回の記事では、サウナと心拍数の関係性やサウナでの心拍数の計り方などを解説していきます。

最後まで読んでいただければ、いつものサウナ体験がより良いものになること間違いなしです。

サウナで心拍数を計るほうがよい理由

まずは心拍数についておさらいです。簡単に言うと、心臓が1分間にどれくらい動いているのかを数値化したものです。

心拍数が高いときは、心臓がたくさん体に血液を送っている状態です。緊張状態や運動時がこれにあたります。反対に、寝ているときなどのリラックス時は心拍数が低くなります。

そんな心拍数ですが、心拍数を意識してサウナに入るとととのうやすくなるという説もあります。

なぜサウナで心拍数を計ったほうが良いのか。主な理由は以下の3つ。

  • サウナを出る目安になる
  • 心臓に負担をかけすぎない
  • その日の体調を知ることができる

それぞれ見ていきましょう。

サウナを出る目安になる

心拍数は自律神経と関係が強いと言われており、交感神経が刺激されると、心臓では心筋収縮が強くなり、心拍数が上昇します。

そのため、心拍数が上がった状態でサウナを出ることで、血液が体中を循環して、疲労の溜まった筋肉疲労の改善などの健康効果を得ることができるとされています。

(出典:ストレスが心臓に与える負担を知りましょう │ 救心製薬株式会社)

そのため、サウナの温度や季節などの外的要因や自身の体調などの内的要因が平常時と異なっても、心拍数を目安にしておけば、最善の状態でサウナを利用することができるのです。

一方で、サウナから出るタイミングの目安を時間にしていると、その日の体調や、サウナ施設によって温度が違う場合に、うまく汗をかけていなかったり、心臓に負担がかかり過ぎたりしてしまうことがあります。

関連記事

サウナ初心者のなかには、「サウナって何分入っていたらよいのか分からない」「どのくらいサウナに入っていたらととのうの?」と思う人も多いのではないでしょうか。 私もサウナー初心者時代は、ほかの人の見よう見まねで入っていました。 […]

夕日バックの砂時計

心臓に負担をかけすぎない

心拍数が上がることは、心臓が体に送る血液量が増えること。

心臓からの血液の回復が過度に増えると、体の水分が失われ、脱水に陥ってしまう危険性もあります。

サウナに入る際、「〇〇分経ったら出ようかな。」と意識している人も多いと思いますが、暑さや気持ちに余裕があっても、心臓には大幅に負荷がかかっている場合もあるのです。

一方で、サウナの利用時間を心拍数を目安に決めることで、心臓に負担をかけすぎずにサウナを利用することができます。

その日の体調を知ることができる

心拍数を計ることで、その日の自分の体調が通常なのかどうかを知るきっかけにもなります。

心拍数がすぐに上がる場合は、何かしらの健康状態の問題の可能性もあるということです。

心拍数は“ととのう”ことと関係がある?

結論から言うと、心拍数と“ととのい”には少なからず関係があるとされています。

ととのうには、交感神経と副交感神経が交互に刺激される必要があります。前述の通り、交感神経が優位になると、心臓では心筋収縮が増強され、心拍数が増加します。

一方で、副交感神経が優位な場合は、心筋収縮が減衰し、心拍数が減少します。このように、自律神経は心拍数と密接な関係にあると言われています。

暑さに慣れてくると心拍数はゆるやかに下がっていきます。そのため、心拍数を計り、心拍数がもっとも高い状態でサウナから出るように意識すると、自律神経がちょうどよく刺激され、ととのいやすい状態にもつながると言えるでしょう。

サウナでの心拍数の目安はどれくらい?

ハテナな男性
心拍数の大切さは分かったけど、一体どれくらいになったらサウナから出ればいいの?

サウナから出る心拍数の目安は、普段の心拍数の2倍、もしくは最大心拍数の70%程度です。

例えば、30歳の場合、最大心拍数の平均は190回程度だと言われているので、その70%は133回です。また、30代の心拍数の平均は70~80と言われているので、普段の心拍数が75だとすると、133~150回が目安になります。

ただし、もとの心拍数には個人差があるため、普段の心拍数の2倍程度の数値になったら出るのがよいでしょう。

(参考:
ランニングは心拍数を意識しよう!目安となる数値や測り方を解説|ULLR MAG)
心拍数の平均値はどのくらい?性別や年齢別、運動時なども解説!|株式会社リエイ)

水風呂での心拍数の目安は?

水風呂に入ることで心拍数は下がっていきます。

水風呂から出るのは心拍数が平常時の数値に戻ったタイミングが適切とされています。

サウナハットをかぶった男性
水風呂に長く入ることが苦手な方も多いですよね……。私も最初の頃は苦手で、長く浸かっていられず水風呂からはすぐに出ていました。

冷たいのは分かりますが、水風呂からすぐに出てしまうと副交感神経が優位になりにくく、“ととのい”の世界に誘われにくくなります。

そのため、水風呂から出る際もサウナ同様、心拍数を目安にすることでととのいやすくなりますよ。

関連記事

温浴施設などの水風呂はサウナ好きが好んで利用しているのをよく目にしますよね。 サウナやお風呂に浸かり、火照った体をクールダウンさせる用途として水風呂を利用すると、健康増進効果が期待できるとも言われています。 では、「水風呂」だけ[…]

蛇口から水風呂に注がれる水

心拍数が少なくても心臓がバクバクしたらアウト?

サウナから水風呂など、極度の温度変化を体が感じた場合、不整脈を引き起こすこともあります。

心拍数が低くても、心臓のバクバクを感じた場合はすぐに出るべきです。体調を優先して、異常があった場合はすぐにサウナや水風呂の利用はやめましょう。

サウナで心拍数が上がるのは危険?

心拍数が上がり過ぎてしまった場合、心臓には大きな負荷がかかります。

この章では、サウナで心拍数が上がることの危険性について解説していきます。

サウナが心臓にかける負担

体温が上昇することで心臓には普段よりも負荷がかかります。サウナが心臓にかける負荷はいくつかあります。

  • 頭痛や目まい
  • 脱水症状

1つずつ解説していきます。

頭痛や目まい

サウナのような高温の室内では、体温が上昇し血管が拡張します。そのため、心臓は体全体に血液を拡張した分だけ循環させるために、多くの血液を送り出します。

そうすると心拍数が上昇し、血液の循環が促進されることで頭痛やめまいが起こることもあります。

また、先述しているとおり心拍数の上昇は心臓に大きな負荷を与えます。心臓に疾患がある人は病院で診断を受けてから利用するようにしましょう。

脱水症状

サウナに入ると、発汗により体内から水分が失われます。脱水状態は血液の濃度を上げてしまい、心臓に負担をかける原因にもなります。また、血液濃度が上がると、血液がうまく体を循環しないことも……。

結果として、心筋梗塞を引き起こす可能性もあるのです。

危険な心拍数のラインは?

心拍数の基準は人それぞれですが、一般的には170回以上の心拍数は危険だとされています。

成人の平均的な心拍数は60~100回/分。しかし、平常時の心拍数が100近い人の2倍の数値はおよそ200です。200に近い心拍数は心臓への負荷が特に重く、危険な状態といえます。

一般的に心拍数が上がるケースを例にあげて比較してみましょう。

例えば、成人がジョギングをした場合、心拍数は120~140回/分程度まで上昇します。これは、効果的に交感神経を刺激している数値といえます。

そのため、サウナでもジョギング程度の心拍数になるように調節して出るとよいでしょう。

参考:サウナで心拍数が上がらない原因は?

なかにはサウナに入っても心拍数が上がらないという人もいるかもしれません。

さまざまな理由が考えられますが、もしかしたら体力不足やストレスが原因になっているかもしれません。

心拍数は個人の体力やメンタルに深く関わっており、心臓や循環系の筋肉が足りていない場合や、日常的にストレスや不安を感じている場合は心拍数に影響が出ると言われています。

運動不足や強いストレスを感じている場合は、定期的な運動やリラックスした状態でサウナを利用すると、より良い効果を得ることができそうですね。

関連記事

サウナには人を惹きつけるさまざまな魅力がありますが、そのひとつが、大量に発汗できることです。 たくさん汗をかくことで、美容効果やストレスの発散、リフレッシュ効果も期待できるといわれています。 おもいっきり汗をかきたいがた[…]

サウナで汗をかく男性

サウナでの心拍数の計り方

心拍数のイラスト

ここまで心拍数の大切さを解説してきましたが、「サウナ内でどうやって心拍数を数えたらいいの?」と感じた方も多いと思います。

この章では、心拍数の計り方をいくつか紹介します。

  • 時計(12分計)を使った計り方
  • 身近な曲を使った計り方
  • スマートウォッチを使った計り方

1つずつ解説していきます。

時計(12分計)を使った計り方

自分の手首や首元に手を当てて脈拍を計る方法です。

やり方は簡単。

  1. サウナに入る前に10秒間の心拍数を計る
    1. これに×6をした数値が1分間の心拍数
  2. サウナ内に設置されている12分計で、3分後にもう一度10秒間の心拍数を計る
  3. さらに5分後、10分後に心拍数を計る
  4. ×6をした数値が目安の心拍数に到達したら出る

12分計があるサウナでは、このやり方がもっとも手軽ですよ。

身近な曲を使った計り方

自分が知っている曲を頭の中で流してみて、リズムと脈拍と比較するという方法もあります。

この方法であれば、12分計がないサウナや、時計がない場合でも計れますね。

参考までにBPMが120~190までの有名楽曲を下記にまとめました。

曲名 アーティスト名 BPM
丸の内サディスティック 椎名林檎 120
Story AI 126
夜に駆ける YOASOBI 130
紅蓮華 LiSA 135
以心電信 ORANGE RANGE 140
有心論 RADWIMPS 145
ミックスナッツ Official髭男dism 150
キューティーハニー 倖田來未 155
夢見る少女じゃいられない 相川七瀬 159
君の知らない物語 supercell 165
残響散歌 Aimer 171
新時代 Ado 175
明日も SHISHAMO 180
青と夏 Mrs. GREEN APPLE 185
アポロ ポルノグラフィティ 190

今回紹介した楽曲を知らない場合は、「BPM〇〇 楽曲」でウェブ検索をすれば、有名楽曲を調べられますよ。

サウナで心拍数を計るにはスマートウォッチが便利

スマートウォッチとは、心拍数を計ってくれる機能がついた時計のようなものです。代表的なものだとApple Watchがありますね。

最近だとサウナのような高温の環境でも使用できるものもあり、かなり手軽に心拍数を記録できます。

サウナハットをかぶった男性
私も愛用しており、サウナの必須アイテムです!

しかし、サウナ施設によっては、時計をつけたままサウナを利用できないところもあるので、注意しましょう。

心拍数を計って、さらにサウナを楽しもう

今回は、サウナと心拍数の関連性や目安について解説してきました。

サウナでは「暑いからそろそろ出ようかな」とか「そろそろ次のセット行こうかな」などの感覚を養うことも大切です。

しかし、心拍数の知識を持っておけば、ととのいやすかったり、健康効果を増進できたりと、良いこと尽くしであることが分かったと思います。

サウナハットをかぶった男性
私も以前は、感覚でサウナを利用することが多かったのですが、心拍数を計るようにしてからは、今までよりも気持ちよく感じることが増えました。

まずは、平常時の心拍数を把握することから始めましょう。早速次回のサウナから心拍数計測を試してみてくださいね。