ですが、サウナ前後の食べ方や食べる量によっては、体に負担をかけることがあるのをご存知でしょうか。
今回は、食前食後などサウナと食事の関連性について解説していきます。
食後にサウナに入ってもよい?
食後すぐにサウナに入るのは避けたほうがよいでしょう。
一般的には、食後30分~1時間くらい時間をあけてサウナに入るとよいと言われています。
では、なぜ時間をあけなくてはならないのか。
実は食後にサウナを利用すると体にさまざまな負担がかかるのです。詳細をみていきましょう。
食後すぐ(30分)にサウナに入らないほうがよい理由
食後すぐにサウナに入るべきではない理由は以下の2つです。
- 消化不良による胃のムカつき
- 低血圧になる
1つずつ解説していきます。
消化不良による胃のムカつき
何かを食べた後、人間の体は食べたものを消化するために、血液が胃や腸の消化器官に集中します。
サウナに入ると体温が上がり、皮膚表面に血が分散され皮膚血流がよくなります。その結果、消化器官の血液が不足し消化が追いつかず、消化不良を起こし、胃もたれや胃がムカムカする不快感が続くことになります。
参考:寿命を縮める「サウナの禁じ手」10、お風呂研究家が教えます|現代ビジネス | 講談社
低血圧になる
先述した通り、食後、血液は消化器官へと集中します。
このときにサウナを利用すると、高温環境による血管の拡張が加わり、全身の血液循環が乱れ、低血圧やめまいを引き起こす可能性が高まるのです。
高血圧や循環器系の問題を抱えている人はとくにリスクが高まります。
食後すぐのサウナは「整わない」
食後すぐのサウナは「整いにくい」といえます。
そもそも「整う」ためには正常に体が機能していることが大切です。呼吸が深く、消化器官が正常に機能しており、睡眠も十分など、体調が良い状態であることが「整う」第一条件といえます。
しかし、満腹の状態でサウナに入ると、前述の通り消化不良を起こしやすくなります。
食後すぐサウナに入ることは、正直な体のはたらきに逆行している行動といえますね。
サウナは食後から何時間後に入るのがよい?
食べたものや量により異なりますが、大体食べ終わってから1~2時間あけるとよいでしょう。
これは、消化器官が食べたものを消化し血液循環が安定する目安になります。
また食事をとったあとは、軽いストレッチをすることで胃腸が刺激され、胃腸の働きがよくなり消化が促進されると言われています。
早くサウナにつきすぎた場合は、休憩所でひと息ついてストレッチを取り入れながら安静にすることをおすすめします。
逆に、食前の空腹状態でサウナに入るのはあり?
食後すぐのサウナはNGですが、一方で空腹状態でサウナに入ることも危険です。
空腹状態でサウナに入ると「低血糖」の状態になる可能性が高まります。そもそも人は体温が上がると代謝が活発になり、汗が出ます。これは体内でエネルギーを消費していることを意味します。
空腹だと必要なエネルギーを補給できないため、血糖値が下がり低血糖になりやすくなります。
低血糖になると、手足の震えや強い倦怠感、ひどい場合には意識を失ってしまうことも……。
食後すぐのサウナよりも危険な行為なので、空腹サウナは絶対に避けましょう。
結局、サウナは食前と食後どちらに入ればよい?
結論からいうと、どちらがよいということはありません。
大切なことは、食前であっても食後であっても「時間をあける」ということです。
満腹や空腹の状態でサウナに入ると、先述したような消化不良や低血糖を引き起こす可能性が高まります。リフレッシュするためにサウナに入ったのに、整えないのはもちろん、体調が悪くなってしまったら本末転倒ですよね。
また、サウナ前に食事を摂る場合は満腹になるまで食べないことも大切です。食べる量が多くなればその分消化に時間がかかり、1~2時間程度経ってもまだ消化しきれていないということになります。
サウナ前の食事は適度にお腹が満たされる量、尚且つ食後から1~2時間経ってからサウナを利用するようにしましょう。
空腹を避ける場合にどうしても何か食べたい場合は、低カロリーな食事を少しだけ、という手段もあります。
サウナ前後のおすすめの食事
ここでは、サウナ前に空腹を感じる方や、サウナ後に何か食べたいという方に向けておすすめの食事を紹介します。
サウナ前の食事
サウナ前には、軽くて消化に時間がかからず、油があまり使われていないものがよいとされています。
理想的なのは、バランスの取れた栄養素を含む、簡単に消化できる食品です。
例えば、野菜や果物、全粒穀物からなるサラダやスムージー、または少量の白身魚や鶏胸肉などのたんぱく質を含む食事がよいでしょう。これらは体に負担をかけず、サウナでの温熱効果を最大限に享受するためのエネルギーを提供してくれます。
フルーツ
フルーツは消化が早く水分を多く含んでいるため、サウナ前の水分補給にもなります。また、豊富な水分とビタミンを含むため、サウナでの脱水や栄養素の補給に役立ちます。
特に、バナナはカリウムを豊富に含むため、サウナで失われがちなミネラルの補給に最適です。りんごやオレンジなどのビタミンCが豊富なフルーツは、免疫系のサポートと抗酸化作用が期待できます。
一方で、消化に時間がかかる果物やガスが生じやすいフルーツ(例えば、洋ナシやチェリー)は避けたほうがよいでしょう。
サラダ
サウナ利用前にサラダを食べることは、軽い食事でありながら必要な栄養を補給できるためおすすめです。また生野菜であれば、油を一切使用していないので、消化器官への負担も軽減されます。
特に、キュウリやトマトは水分が多く、サウナでの水分補給に役立ちます。また、ほうれん草やカリフラワーなどの葉物野菜は、ビタミンと鉄分を提供してくれます。
ドレッシングなどもできるだけ使用しないほうがよいでしょう。どうしてもかけたい場合は、脂質の高いものは避け、オリーブオイルやレモン汁をベースにした軽いものや、青じそドレッシングなど低脂質なものがおすすめです。
スムージー
フルーツや野菜などを使用しているものが望ましいとされています。スムージーなら水分の補給と発汗で不足しがちなミネラルが摂取しやすくなります。
おすすめのスムージーは、バナナ、スピルリナ、オレンジジュースをベースにしたものです。バナナはエネルギー源の炭水化物が豊富で、スピルリナはビタミンB、鉄分、タンパク質を提供し、オレンジジュースはビタミンCを豊富に含み、免疫力の向上に役立ちます。
ただこちらも、砂糖が多く使われているものは糖質が高いので要注意。フルーツベースのスムージーは自然な糖分を含むため、糖質の摂取量に気をつける必要があります。また、添加糖や人工的な甘味料を含む市販のスムージーミックスは避け、可能であれば、新鮮な材料から自家製のものを作ったほうがよいでしょう。
サウナ後の食事
サウナ後はほどよい疲労感もあり、食欲が増してしまいます。しかし、代謝が上がっているため、サウナ後の爆食は太る原因になりかねません……。
ここでは、サウナ後の食事にぴったりな食べ物を紹介します。
そば・パスタ
サウナ後の空腹感を満たすには、やはり炭水化物が一番!
とはいえ、大盛りの二郎系ラーメンや特盛の牛丼などをかきこんでしまうと、急激に血糖値が上がり、太る原因にも繋がります。
一方で、そばやパスタは炭水化物の中でもタンパク質や食物繊維が豊富で、血糖値が緩やかに上昇するため、太りにくい食事といえます。特に、全粒粉のそばやパスタは、白い小麦粉を使用したものに比べて血糖値の上昇が緩やかで、持続的にエネルギーを提供してくれます。
さらに、そばはビタミンB群やミネラルが豊富で、体の代謝機能のサポートや筋肉機能の回復に有効です。パスタも同様に、適量を摂取することで、必要な栄養素を補いながら、サウナで失われたエネルギーを効率的に回復することができます。
サラダ
サウナ前にもぴったりなサラダは、サウナ後の食事にも取り入れたい料理です。
豊富な食物繊維を含んでいる野菜を摂取することで血糖値の上昇を防ぎます。また発汗によって失われたミネラルやビタミンも補給できますよ。
サウナ後にサラダなんて……と感じる方は、主食とセットで摂るように意識してみましょう。
卵スープ
たんぱく質が豊富なスーパー食材としても知られる卵。サウナの熱で体は一時的にストレス状態にあり、その後の回復プロセスでタンパク質が重要な役割を果たします。タンパク質は、筋肉の修復や再生、さらには免疫システムのサポートに必要不可欠だといえます。
さらに、卵スープは消化が良く、サウナ後のデリケートな消化器官にも優しいといえるでしょう。温かいスープは胃腸を穏やかに刺激し、体がリラックスするのを助けます。また、スープに野菜やハーブを加えることで、追加のビタミン、ミネラル、抗酸化物質を摂取できます。
サウナ後はNGな食事とは
糖質が高い食事
糖質が高い食事をサウナ利用後に摂ることで、サウナによるデトックス効果を損ねる可能性が高まります。
サウナは血行を促進し、体内の代謝を高めることでデトックス作用を促します。しかし、直後に糖質が高い食事を摂ると、血糖値が急激に上昇し、インスリンの過剰分泌を引き起こす可能性があります。
これにより、体が蓄積した脂肪を燃焼しにくくなり、サウナで得られるはずの健康効果が減少する可能性が高まります。
また、サウナ使用後は身体がリラックス状態にあり、急激な血糖値の変動は体への負担となり得ます。
以下、糖質の高い食事例です。
- 大盛りラーメン
- 大盛り白米
- 菓子パン
- ケーキやクッキーなどの甘い菓子
- ジュースやエナジードリンクなどの甘い飲み物
- フライドポテトやポテトチップス
脂質が高い食事
サウナ後は脂質が高い食事もできるだけ避けたほうがよいでしょう。
その理由は、消化負担の増加と体内の炎症リスクです。
サウナによって体温が上昇し、血管が拡張することで血流が改善されますが、この状態で脂質が高い食事を摂取すると、消化器系に過度の負担がかかります。
特にサウナの後は身体がリラックスしており、重い食事は胃腸の負担になりやすいといえます。さらに、脂質が高い食品を摂ると血中の脂質濃度が上昇し、体内で炎症反応が促されることがあり、心血管疾患のリスクを高める可能性があります。
以下、脂質の高い食事例です。
- ファストフード(ハンバーガー、フライドチキンなど)
- 加工肉製品(ソーセージ、ベーコン、サラミなど)
- フルクリーム乳製品(クリーム、バター、高脂肪チーズ)
- 揚げ物(天ぷら、唐揚げ、ドーナツなど)
- 一部のオイルやドレッシング(特に加工されたものやトランス脂肪酸を含むもの)
アルコール
みんな大好き「サウナ後の乾杯」も実は避けたほうがよい行為です。
サウナ後にアルコールを摂取するべきではない理由は、脱水のリスクと血圧の変動が関係しています。
サウナで体温が上昇すると、汗をかいて体内の水分が減少します。この状態でアルコールを摂取すると、アルコールのもつ利尿作用により、脱水症状を引き起こす可能性があります。脱水は、めまいや頭痛、極端な場合には熱中症のリスクを高めます。
また、サウナによって血管が拡張されている状態でアルコールを摂取すると、血圧が急激に下がる可能性があり、これが不快感や危険な状況を引き起こすことがあります。
とはいえ、やはりサウナ後はビールで乾杯したいですよね。
どうしてもアルコールが飲みたい場合は、アルコール度数が低いものを選びましょう。
たとえば、軽いビールや発泡酒、希釈したワイン(スプリッツァーやワインクーラーなど)などが挙げられます。アルコール度数が低い飲み物は、強い酒類に比べて脱水を引き起こしにくく、血圧の急激な変動も抑えられます。
ただし、これらを摂取する場合でも、水分補給を十分に行い、適量を守ることが重要です。
食事によっては太ることもある?
サウナ後は代謝が上がっており、体内のエネルギー消費が活発になります。そのため、「痩せやすい状態」になっているといえます。
食事量が多かったり、脂質や糖質が高い食事を摂ったりすると、カロリー摂取が過剰になり太る可能性があります。
サウナを使用すると、体は大量の汗をかき、一時的に体重が減少するため、より多く食べても大丈夫と誤解しやすいですよね。
しかし、この体重減少は主に水分の損失によるもので、実際の脂肪の減少ではありません。そのため、サウナ後に高カロリー食品や糖質・脂質が豊富な食事を摂取すると、消費するカロリーよりも多くのカロリーを摂取することになり、体脂肪として蓄積されます。
サ飯のようなカロリーの高い食事を摂取したり、オロポを飲みすぎたりすると、太ってしまうかもしれませんよ。
健康的な体重管理をするためには、サウナ利用後もバランスの取れた食事に注意し、特に糖質や脂質の摂取を控え、タンパク質や野菜を中心にした食事を心がけることが大切です。
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サウナ後の食事に気をつければダイエット効果も期待できる!
ここまで解説してきた通り、サウナ前後の食事には気を使うべきです。
サウナに入ることで代謝が上がりやすくなるので、食べる食事量やカロリー、料理を気にすればダイエット効果も期待できます。
逆をいえば、サウナの後にカロリーの高い食事を摂ったり、糖質の高い飲み物を飲んだりし続ければ太りやすくなってしまうのです……。
そのためにも、日ごろの食事や運動などの生活習慣を整えることに加え、サウナ前後の食事も見直していきましょう。
サウナでたくさん汗をかくと、ちょっとした運動をした気分になって「もしかしたら痩せたかも?」と思ったことがある方も多いでしょう。 実際にサウナに入った後は体重が減っていることも。しかし、それは単に体の水分が汗で流れているからだとか…… […]