温浴施設などの水風呂はサウナ好きが好んで利用しているのをよく目にしますよね。
サウナやお風呂に浸かり、火照った体をクールダウンさせる用途として水風呂を利用すると、健康増進効果が期待できるとも言われています。
では、「水風呂」だけを利用した場合はどうなのでしょうか。
今回は、水風呂だけを利用したときの効果について、サウナと併用した場合と比較しながら解説していきます。水風呂の正しい入り方についても触れているので、ぜひ参考にしてくださいね。
水風呂に期待できる効果やメリット
水風呂は、単にお風呂やサウナの後に浸かることで爽快感を感じるだけのものではありません。
この章では水風呂に入ることで得られるさまざまな健康作用を紹介していきます。
代表的な健康作用は以下の5つです。
- 疲労回復
- ダイエット効果
- 美肌効果
- 免疫力の向上
- 血圧の改善
順に解説していきます。
疲労回復
サウナ後の体は心拍数や交感神経が刺激され、一種の興奮状態になっているいえるでしょう。
水風呂に入ることでその興奮を抑えつつ、体をリラックスした状態へと戻すことが可能です。
また、自律神経のバランスを整えるのにも効果的であり、筋肉疲労はもちろん精神的な疲労の回復にも役立ちます。
ダイエット効果
脂肪の燃焼はダイエットに直接的な効果を与えます。
脂肪は体温をあげるために必要なエネルギーの1つです。水風呂に入り体温が急激に下がると、体は体温を上げるために脂肪を燃焼させようとします。
そのため、水風呂に入ることで脂肪が燃焼されやすくなり、ダイエット効果が期待できるといえるでしょう。
美肌効果
冷水で肌を引き締めることで、肌のたるみを改善して若々しく肌を保つことができます。
水風呂に入ることで血行がよくなり、新陳代謝が促進され、肌の生まれ変わりの周期であるターンオーバーの乱れ解消を期待できます。
水風呂は美肌やアンチエイジングにも効果的なのです。
免疫力の向上
水風呂に入ることで、脳は全身の体温を上げるようにはたらきかけ、血管は通常時よりも収縮します。
そうなると、内臓の働きも活発になり抵抗力が増進されるので、免疫力が高まり、病気やウイルスに強い体づくりにつながります。
血圧の改善
一般的にサウナや温泉に浸かると血圧は下がり、水風呂など体を冷やすことで血圧は上がるとされています。
サウナからの水風呂のような温冷交代浴は血圧の上下を繰り返すことになるので、心臓と血管のポンプ機能が鍛えられます。
そのため、温冷交代浴を繰り返せば、血圧が正常値に戻っていくことも期待できるでしょう。
水風呂だけ入っても効果はある?
水風呂はサウナ後や温浴後に入るイメージがありますが、水風呂だけに入った場合、上述したような効果は得られるのでしょうか。
この章では、水風呂だけを活用したときの効果について、温浴後に入る場合と比較しながら紹介します。
サウナやお風呂と水風呂を交互に繰り返すほうが効果的?
水風呂の効果を最大限に高めるのは発汗後だといわれています。
温浴などで体温が上昇してから水風呂に入ることで急激に体温が下がります。その際に体は体温を調節しようとして、通常時よりも血管を収縮したり脂肪を燃焼したりするのです。
そのため温冷交代浴が推奨されています。
温冷交代浴をすることで、交感神経と副交感神経が交互に刺激され、自律神経のバランスが保たれます。
つまり、水風呂だけに入るよりもサウナやお風呂と併用したほうがプラスの効果を得られるというわけです。
水風呂だけ入るのは実は危険?
温浴をせずに水風呂だけに入ると、体温は平常時よりも急激に下がります。
温浴後は体温が高く血圧が下がっている状態なので、血圧は元に戻るように上がっていきますが、温浴をせずに水風呂だけに入ると血圧は平常時から急激に下がることになります。
そのような行為は心臓や血管に大きな負担がかかるため、失神や心筋梗塞などを引き起こす危険性も高まるのです。
単純に常温の状態から水風呂に入るとなると相当冷たいですし、水風呂だけに入るのはあまりおすすめできません。
水風呂の代わりに冷水シャワーを浴びても効果はある?
ここからは、「サウナは好きだけど水風呂は冷たくて入れない」という方へ、冷水シャワーの効果を水風呂に入った場合と比較しながら紹介していきます。
冷水シャワーと水風呂の大きな違いは下記のように体の冷え方にあります。
水風呂 | 全身を急激に冷やせる |
---|---|
シャワー | 頭から徐々に冷やせる |
また、水風呂の代わりに冷水シャワーを利用するのはメリットとデメリットの両方があります。
冷水シャワーのメリット
冷水シャワーのメリットは主に以下の2つ。
- 水温を調節できる
- 頭をしっかり冷やすことができる
シャワーの場合、水温を調節できるため水風呂のように我慢して入ることはありません。自分のもっとも気持ちよい感覚で汗を流すことができます。
また、サウナ室は天井に近ければ近いほど熱がこもります。そのため、サウナに入っているときに一番体温が高くなっているのは頭なのです。
水風呂の場合、潜ったりせねば頭を冷やすことはできないので、頭を冷やせる点が冷水シャワーのメリットといえます。
冷水シャワーのデメリット
冷水シャワーのデメリットは以下の2つ。
- 均等に体が冷えない
- 体を冷やすことに時間がかかる
冷水シャワーは水が当たった部分から冷えていくので、水風呂のように均等に体を冷やすのは難しいでしょう。
さらに、サウナからの水風呂は急激に体温を下げるので、すぐに”ととのう”感覚を味わうことができますが、冷水シャワーだと体を冷やすのに時間がかかるので、”ととのう”感覚を味わうには、長く冷水を浴びる必要があるといえます。
ただし、”ととのう”感覚に関しては人によって差があるため、冷水シャワーでも問題なくととのえるという人もいます。
水風呂の正しい入り方
水風呂にはさまざまな健康効果を期待できますが、入り方を間違えると危険な点も多いです。
あらかじめ水風呂の正しい入り方を知っておきましょう。
水風呂に入る時間は何分がよい?
一般的に水風呂に入る時間は1~2分がよいとされています。のどがスーッとしてきたら目安だと思ってよいでしょう。
また、心臓から遠い足先などから徐々に入る、ゆっくりかけ水をしてから入るなど、急に水風呂に入ることのないようにしましょう。
水風呂は何度が適温?
水風呂に入る目安の時間を水温別にまとめました。
感じ方 | 入浴時間 | |
---|---|---|
18℃~20℃ | ぬるめ。リラックスして入ることができる。 | 2~4分 |
15℃~17℃ | 入った時は冷たい。時間が経つと気持ちよくなる。 | 1~2分 |
12℃~14℃ | かなり冷たい。しびれる感覚もある。 | 20秒~1分 |
(※あくまで目安なので個人差はあります。)
施設によっては冷たい水風呂を推している施設もあります。無理のない範囲で水風呂を楽しめるとよいですね。
水風呂を自宅で楽しむときのポイント
ここからは、サウナに行くのはめんどくさい、サウナは混んでいるから自宅でサクッと水風呂や交代浴を楽しみたいという方へ、自宅で楽しめるおすすめの方法を紹介します。
おすすめの方法は以下の2つです。
- シャワーを熱めに設定して、浴槽に水を張る
- 浴槽に熱めのお湯を張り、冷水シャワーを浴びる
それぞれ具体的に紹介します。
シャワーを熱めに設定して、浴槽に水を張る
まずは、熱いシャワーを浴びて水をためた浴槽に入るという方法です。
浴槽に水を溜める場合は温まる場所がないので、シャワーの設定温度を熱めに設定すると、体温が上がり気持ちよく水風呂に浸かれます。
しかし、お湯に浸かっているわけではないので、水風呂の温度も少し高め(25℃前後)に設定しておくと体への負荷を軽減できます。
浴槽に熱めのお湯を張り、冷水シャワーを浴びる
逆にお湯をお風呂に溜めて、冷水シャワーを浴びる方法もあります。
このとき、溜めるお湯の温度を熱め(43℃~)にしておくと体が芯まで温まり、冷水シャワーを浴びても冷たさをさほど感じずに済むでしょう。
この流れを2~3セット繰り返すことで、自宅でも簡単に交代浴を楽しめます。
水風呂だけでも効果はあるが、無理は禁物。
サウナとは切っても切り離せない水風呂ですが、体への負担が大きいということは覚えておくべきです。
冬の水風呂は避ける、心臓から遠いところからゆっくり入る、体調が悪ければ入らないなど、温度差や体調面と相談しながら入るようにしましょう。
特に最近では、”ととのう”ことを目的としてサウナに通う人も多く、水風呂が冷たければ冷たいほどよいと考えている人も増えています。
本来、サウナや水風呂は体を休めるところなので、無理をして何か起きてしまっては本末転倒……。
加減を把握して気持ちよく利用できるように心がけましょう。
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